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July / 12 Sat 08:12 ×
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January / 14 Wed 02:27 ×
広い荒野に一人だけ残されて
僕はゆっくりと歩き出した
君を探す また今日も
もうかくれんぼは終わりだよ
呼んでも呼んでも
やっぱりアレは夢じゃなかったのだと
信じたくはなくて
揺れる葉陰から君が顔を出すのを
僕は待ちきれないんだ
君はこの狭い四角いスクリーンの星になったと
とっくに解っていたけれど
僕の理解を越したどこかで
僕の感情を何かがコントロールしている

僕の身体も君と同じように
皮膚が腐ってポロポロ剥がれ落ちてきたけれど
僕はとてもこの空の星にはなれないと思うし
そんなことを望んでいるわけではないのだ

僕はただ 君に会いたい

そして今日も歩き続ける
全身から病んだ匂いが立ち上っていても
この足が腐り落ちても
僕は歩き続ける
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January / 13 Tue 10:08 ×
お前はあの時散々言った
「私はあなたの全てを受け止めます」
俺は嬉しくもなんともなかった 全く嬉しくなかった
その言葉が真実からかけ離れていると解っていたから

人の心の闇を覗こうなんて
やめろといったのにお前はそれを
俺を救えるのは自分しかいないのだと妙な感情をふるって
怖いもの見たさに遠慮なしに踏み込んでくるんだろ

ついに俺とお前の境界線が重なった時
俺はお前を撥ね付けた
お前が悪いんだ
この常闇を覗こうだなんて馬鹿な事を

上辺だけの言葉も
自己保身の言い訳も
根拠のない自信も
その場だけの感情も

優しい嘘も
差し伸べられる手も
心の見えない愛も
八方美人の付き合いも

皆みんな消えちまえ
大嫌いなんだ 吐き気がするぐらいに

だけど気付いている
俺はそんな俺自身が一番許せない事を

青く抜ける空も
金色に光る太陽も
俺を置いていったお前も
そしてこの俺自身も

皆みんな血を流してしまえ
大嫌いなんだ 涙が絶えないほどに

ずっと気付いていた
さあそのナイフで胸の中を切り刻んで
今日も自分を殺して生きる
俺は俺が大嫌いだ
January / 10 Sat 23:17 ×
君を見据える その白い肌を
君も僕を見る 妖しい瞳で
イーゼル上のキャンバス越しに交わされる視線
君は自分の肉体に 女として絶対的な自信を持っている
だけど僕は君の その醜い皮を見ているわけじゃない

僕が君を見つめるのは 握った炭で君を描きだす為で
君がどんなに僕をそんな目で見ても僕には関係ない
僕は君の身体に見えない刃物をいれていく
何も知らぬ君の咽喉から

僕の握る炭は 君を解剖するメスへ変わる
咽喉からゆっくり 君の胸を 腹を裂く
肉片一つ残さず 君を解体する
そして現われる真実の姿を
僕は輪郭越しに君の骨を肉を臓物を
この手でひとつの完成品へ組み立て
君の皮の下に思い描きながら君を描く
そうして君は僕のこのキャンバスに別の姿で再生するのだ

January / 07 Wed 22:40 ×
散った 散った 散らばった
散らばった君は 僕の四角い空の星になった

初めてここへ連れてこられた時から 二人は一緒だった
それから1460日と56日間ずっと手を繋いでいた
天井からふわり落ちてくるパンの欠片を分け合って
体を寄せ合って葉陰で眠った
暑い日も寒い日もずっとずっと 二人は一緒だった
それから1460日と56日間ずっと手を繋いでいた
水や食べ物に困ることは一度もなかったし
これ以上の幸福は望んでもいなかった

踊ろう 踊ろう いつまでも
あの四角い空は いつまでも変わらないはず


1460日と56日目の夜
君の背中が盛り上がって 君は違和感にしくしくと泣いた
僕はただ側にいてあげることしかできなかった
朝日に照らされた君は全身赤い斑点だらけ それでも僕は君から離れることはできなかった

1460日と59日目の昼
君の体がバラバラと 崩れていった溶けていった
僕は君の剥き出しの肉塊の腕をそれでも
ずっと抱きしめてただただ四角い空に 祈った祈り続けた どうして助けてくれないのか

1460日と60日目の夕
僕たちは初めて繋いでいた手を引き剥がされてしまった
それから僕たちを奇妙な見えない分厚いものが
僕たちの間を別つ事になった 目の前で君が弱っていく 腐っていく 僕は泣いた


君が息絶える瞬間 僕ともう一度手を取り合うことができた
君の目は飛び出していて 僕はもうそれを見ることはできなかった
君のカラダは腫れ上がり その体から光る飛沫が宙を舞った
君は光になってしまった もう踊れない

散った 散った 散らばった
散らばった君は 僕の四角い空の星になった

1460日と81日目僕たちは最初で最後の永遠のお別れをした
January / 07 Wed 01:35 ×
八角形の瓶の丸い蓋を開けて 人差し指でかき回す
甘い甘い蜜があふれて 幸せの香り
ゆっくり指を引き抜いて そのまま唇を割れば
甘い甘い蜜が刺さる 咽喉が焼ける

色とりどり極彩色 さあ召しませ
ブルーな香りのとろけるカラダ
どこからでもどうぞ いつでも熟れてる
あやしく光をたたえてる とろけるカラダ

咽喉の次は 胃を焼いて
爛れて混ざって紫マーブル
五臓六腑に染み渡る 紫マーブル
全身駆け巡って 早く早く糜爛させて
蛇の尾の様な アナタとワタシ
全て忘れさせて
甘い痺れを
脳に突き刺して
かき回して
届けて ブルーな香り
紫マーブル
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